婦人科一般
婦人科一般
婦人科と聞いて「怖い」「何となく行きづらい」など敷居を高く感じる方もいるのではないでしょうか。婦人科では、女性特有の病気をみていきます。
婦人科では、月経・おりものの悩み、PMS/PMDD、乳房の病気、子宮、卵巣、性感染症、更年期障害、避妊、不妊の相談から妊娠に関することなど、思春期から老年期における女性特有の病気や症状すべてを扱います。生理不順、不正出血など月経がいつもと違う。40代に入り更年期の影響なのか、何となく辛いなど、女性特有の不調は実際には他の病気の症状であることもあります。ちょっとしたことでもお気軽にご相談ください。
子宮・卵巣の主な病気として、子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣のう腫などの良性疾患や子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんなどの悪性疾患があります。良性腫瘍もその後の妊娠に関わる可能性もあり、正しい管理が必要です。悪性疾患はもちろん、良性疾患も必要な際に期を逃さず適切な高度医療機関へご紹介いたします。
子宮の筋層に出来た良性の腫瘍のことを言います。年齢的には中年女性に多く見られ、閉経とともに縮小することが多いです。できる場所によって症状は違いますが、共通しているのは月経量が増えることと月経痛(生理痛)です。子宮の内側にできると、小さくても症状が現れます。子宮筋腫は全てが手術の必要があるものではありませんが、小さくても悪性が疑われるものやその後の妊娠に差し障る可能性のあるものなどは必要となる場合があります。また手術が必要でなくとも、月経量が多いことで貧血となることがあり、貧血の治療をしながら経過観察する場合もあります。
本来生理は、子宮の内膜が剥がれ落ちることで起きます。子宮内膜症とは、子宮の内側以外の場所(卵巣、子宮の筋肉の中、骨盤内の腹膜など)にこの内膜ができてしまい、生理のたびに出血してしまう疾患です。生理痛が強く、また進行すると妊娠しにくくなることもあり適切に管理が必要です。内服薬(ピルなど)での治療も有効です。また卵巣にできる内膜症(チョコレートのう胞とも呼ばれます)は、がん化することもあり経過観察も必要です。
子宮頸がんは子宮の出口にできるがんです。子宮頸がんはがん検診を受けることで、命に関わるような病気になる前に見つけられることがほとんどです。また、このがんは比較的若い人に多く、妊娠初期の子宮がん検診で異常を指摘されることもあります。がん検診のお誘いが来たら若い方も積極的に受けて頂きたいです。また予防としてHPVワクチンの接種もおこなっています。子宮頸がん検診(詳しくはこちら)・ワクチン(詳しくはこちら)のページもご覧ください。
子宮体がんは子宮の中にできるがんです。最近増加しています。このがんの最初の症状は不正出血です。いわゆる検診に相当するものはありませんが、超音波検査で閉経後も子宮内膜の厚い方は細胞診や組織診での精密検査をお勧めします。また多嚢胞性卵巣症候群の方はリスクが高いと言われており、注意が必要です。
腫瘍には良性と悪性があります。小さいものでは自覚症状がほとんどありません。腫瘍が大きくなると、下腹部膨満感や腰痛・下腹痛などの症状が出てくることがあります。卵巣が腫れている場合、まずは悪性が疑われるものかの判断が必要です。また良性の場合も手術が必要となるものがあるため、どんなタイプの卵巣のう腫かを診断し方針を考えます。
日本女性の平均的な閉経時期は50歳くらいといわれ、この前後5年間ほど、約10年間を更年期といいます。この時期は女性ホルモンが減少していき、それに伴い、個人差はありますが心身にさまざまな不調が現れ、生活に困難をきたします。いわゆる更年期障害です。この時期の不調は更年期障害のせいと考えられがちですが、実際には甲状腺など他の病気の症状であることもあります。本当に更年期障害?というところから考えます。
出血をともなう異常は悪性疾患の可能性もあり特に受診をお勧めします。子宮頸がんや子宮体がんの自覚症状で、最も多いのが不正出血です。カンジダやトリコモナスなど微生物を原因とするもの、萎縮性膣炎のような女性ホルモン(エストロゲン)の低下によるものなど、おりものの異常は原因も様々です。原因に合わせた治療が必要です。
月経の周期が乱れたり、出血期間が長く続いたりすることです。ほとんどの場合、女性ホルモンのバランスの乱れによっておこりますが、それ以外に甲状腺ホルモンやプロラクチン(下垂体ホルモン)などの異常によっても月経不順を来たすことがあります。また子宮筋腫、子宮頸がんや子宮体がんなどの病気が原因のこともありますので、まずは検査が必要になります。