ピル処方
ピル処方
ピルは、『卵胞ホルモン』と『黄体ホルモン』という2種類のホルモンを含有しており、排卵の抑制(避妊効果)に加え、下記の症状改善などの効果があります。避妊用をOC(Oral contraceptive)、月経困難症や子宮内膜症などの治療に用いられる場合はLEP(Low dose estrogen-progestin)と呼ばれますが、どちらも低用量ピルのことを指します。症状によっては保険適用となることもありますので、ご相談ください。
また多くの種類があり、含まれるホルモン剤の種類が少しずつ異なるため、むくみの出やすさやニキビの改善効果などそれぞれ特徴があるためご相談の上、種類を決めていきます。
最も心配される血栓症(血管の中で血が固まってしまう)の副作用の検査も院内で短時間に可能です。安全な処方を心がけています。
低用量ピルの一般的な副作用として頭痛、吐き気、不正出血などがおこることがありますが、これらの症状は飲みはじめの時期に起こり、2~3周期で良くなることが多いです。
重篤な副作用のひとつに静脈血栓塞栓症があります。静脈血栓塞栓症は低用量ピルの内服開始後3か月以内が最も多いことのほか、喫煙者、肥満の方、40歳以上の方の場合にそのリスクが高まることがわかっています。静脈血栓塞栓症の症状としては、激しい頭痛、急に目が見えなくなった、しゃべりにくくなった、激しい腹痛、足のむくみ・痛みなどがあります。適切な管理で発症を予防することが大切です。また薬の飲み合わせの問題もあり、医療機関受診時には、ピルを内服していることを必ずお伝えください。
月経日はホルモン剤によってコントロールすることができます。受験や旅行などどうしても外せないイベントと月経の日程が重なってしまった時には、ご相談ください。
移動したい月経の前月の月経中か月経終わってなるべく早目に受診してください。月経移動にはより効果の高い中用量ピルを使用しています。また月経移動は必ず成功するとはお約束できません。また、血栓症のリスクを高めるため、飛行機の利用の予定がある場合は月経を早める方向での移動をお勧めいたします。
緊急避妊薬とはコンドームの破損など避妊に失敗した際、早期に内服することで、排卵を遅らせたり受精・着床(受精卵が子宮にくっつくこと)を阻止することで妊娠するのを防ぐお薬です。現在国内で認められている緊急避妊薬はレボノルゲストレルというホルモンの製剤で性交渉から72時間以内に1錠のみ内服するお薬です。
避妊率は24時間以内の内服で99%、48時間以内で98%、72時間で97%と報告されており、完全ではありません。
服用はなるべく早い方が効果的ですので、避妊の失敗に気づいてからなるべく早めに受診されることをおすすめします。
緊急避妊薬内服時の注意点
ピルと同様、避妊や月経困難症の治療として使用されるものにIUS=intrauterine system(ミレーナ®)があります。これは黄体ホルモンと呼ばれるホルモンが放出されるT字型のデバイスで一度子宮内に挿入すると5年間入れたままで効果を発揮します。
避妊効果としては99.8%とされており、ピルの一般的な避妊効果より高くなっています。いずれも「避妊」はできても性感染症は予防できないので性感染症を予防するという意味でコンドームは必要になります。
また生理痛がひどい「月経困難症」や生理の量が多い「過多月経」の人はIUSを治療として使用することがありその場合は保険適用となります。
挿入は外来診察で入れることができますが、挿入時に軽い生理痛のような下腹部痛があり、人によってはその日は数時間軽い生理痛のような痛みが続くことがありますが痛み止めを内服して対処できる程度の痛みです。
挿入のタイミングは月経の終わりかけ(生理5-7日目程度)ですが挿入前に検査が必要ですのでまずはご相談にいらしてください。
大きな副作用はありませんが、自然に脱落してしまうことがあります。子宮筋腫がある方などは抜けやすくなり、あらかじめご相談が必要となります。また頻度は低いですが、「穿孔」といって子宮を突き抜けて腹腔内にIUSが入ってしまうことがあります。
消費税(10%)を含みます
下記の診療を行う場合には、基本診察料も自費になります(1,100円)
低用量ピル | 1周期 | 3,190円 | 後発品は3,080円 |
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血液検査 | 3,300円 | 半年に一度 | |
緊急避妊 | 1回分 | 11,000円 | |
リング挿入 | 銅付加 | 38,500円 | いずれも5年使用 |
ミレーナ | 55,000円 | ||
リング抜去 | 5,500円 | ||
月経移動 | 1日分 | 110円 |